2021.06.01
私共の話ですが、数年前からエアコン取り付け工事に関連して『専用コンセント』についてのご相談やご依頼が増えています。
どうしてなのかな?と考えていましたら、お客様から「量販店さんでエアコンを取り付けてもらおうと思ったら、専用コンセントがないからと工事してもらえなかった」と聞き、なるほどなと納得しました。
量販店さんでも専用コンセント設置工事は受け付けているのですが、状況によってはお断りせざるを得ないケースもある様です。
そこで、今回は専用コンセントと設置工事についてご案内します。
下の私の住処の分電盤の写真をご参考にお読み下さい。
①専用コンセントとは?
上の分電盤の写真の右側に、小さなブレーカーが8台付いていますが、専用コンセントとは、この小さなブレーカー1台で1つのコンセントに繋がっているという事です。
②何故専用コンセント?
一般的に家庭で使われている家電製品の中で一番電力を使うのがエアコンです。
そのエアコンが他の機器と同じブレーカーを使っていると、電力オーバーでブレーカーが落ちやすくなったり、熱を持って発火の危険も考えられます。
そのため、電気工事のきまり事として、エアコンを設置する際は、専用コンセントを設ける事となりました。
専用コンセントの位置ですが、普段使っている壁の下の方ではなく、エアコンの内機を取り付ける付近の高さになります。
近年のエアコンは消費電力が少なくなってきていますが、やはり安全面などから専用コンセントは設ける前提は変わっておりません。
エアコンの他にもIH用・電子レンジ用と、専用コンセントを設ける事があります。
③設置工事について
既に建物が建っている場合になりますが、分電盤や建物の状況によっては、お時間を頂く工事が必要になります。
もう一度、上の小さなブレーカーを例にします。
この8台のブレーカー全てが使用されている際は、もう1つ分電盤にブレーカーを入れる必要があります。ですが、写真の分電盤にはそれ以上入れるスペースがありません。これを「空きがない」と言いますが、ではどうするか?と言いますと、3つの方法があります。
一つ目は、ブレーカーボックスを付けてエアコン用のブレーカーを足す方法です。今の分電盤の隣にスペースがあればこの方法が一番安上がりです。
二つ目は、増設盤という補助盤を取り付ける方法です。2回路・4回路と種類はありますが、直ぐに使いたいエアコン用のブレーカーの他に、将来的に使えるブレーカーを用意しておく感じです。
三つめは、分電盤ごと交換する方法です。分電盤が壁のサイズにピッタリはまっていて、どうしても設置するスペースがない場合になります。
また、建物の構造と分電盤・コンセント設置場所から、壁や床に穴を開ける必要が生じるケースも多く、意外と時間とお金がかかってしまうかもしれません。
更に、小さなブレーカーを追加すると一番左の大元のブレーカーの容量がオーバーしてしまう事もあり、すると大元のブレーカーの交換の他、電力会社への申請の必要や外線の引き直しの必要が生じる事もあります。
エアコンを新しい場所に設置する時、量販店さんに「専用コンセントはありますか?」と尋ねられた時には、特に③に注意してお話を進めてみて下さい。
※エアコンの標準工事についての記事もお読み頂ければ幸いです。